授業料以外の必要経費
特に理系の医歯薬系大学の授業料は高額なことで知られており、検索サイトでも薬学部授業料に関する検索回数は非常に多いです。両親や家族に過大な負担はかけたくありませんからね!しかし、現役の薬学生に聞くと、それ以外の経費・費用が、実は非常に大きな負担となっているという現実があり、そのことを受験生の皆さん・保護者は、知らないことが多いような気がします。このページでは、実はとても大きな負担である授業料以外の必要な経費についてまとめました。
-- このページの内容--
大学運営金・設備利用料など
大学入学時、あるいは毎年・半期の授業料とともに、運営協力金や設備利用料などの名称で、各種経費が必要となります。
大学によって、この金額は大きな違いがありますが、都会に立地している近代的な学舎・建物の大学ほど、当然これら設備費は高額となります。
一方で、古くて汚い学舎は、在学生にとっては不満だと思いますが、これら設備費が安く済む可能性が高い大学でしょう。
これらの料金は、細目が提示される場合と、提示されずに大学側に任せる場合がありますが、意外に高額になることもあります。
国公立大学の場合は、3万円前後/年、私立大学の場合は、10-50万円前後/年、が一般的かと思います。
各大学のホームページ上で、入学時、あるいは年度毎に納入が必要な経費が記載されていますので、確認してみてください。
教科書・参考書・資料代金
教科書は、薬学の専門書を半期ごとに10冊前後購入することになります。
1冊あたり、3-7千円程度としても、毎回3-7万円、年間6-12万円程必要なことになります。
先輩から教科書を譲ってもらえば、安く抑えることも可能ですが、毎年教科書が変わる科目もあり、全部ではなくても購入する必要がありますので、大きな負担となるでしょう。
(大学運営費などの名目で一括して請求される場合と、個人で大学生協などから購入する場合があります。)
履修費用・試験費用・追試費用
大学の単位取得には、毎年二回(前期・後期)の履修科目を選択し、半年間の授業ののちに試験を受けて一定の成績を収める必要があります。
この試験で不合格となった場合、すぐに留年するわけではなく、追試験を受験して合格することで単位取得できることがあります。
単位履修費用・試験費用・追試費用がそれぞれ設定されている大学があり、履修費用と試験費用は授業料に含まれる大学が一般的ですが、追試費用だけは別途請求されるのが一般的です。
当然、しっかり勉強して試験に一回で合格して単位を取得できれば、追試験を受ける必要はありませんので、追試験費用も発生しません。
しかし、10科目程度の試験を受ければ、一つや二つの追試験が発生することも十分に有り得ますので、その際には追試験を申請して再度単位取得を試みましょう。
特に私立大学の多くでは、追試験1科目あたりに数千円から一万円程度の試験料金を必要とするところも多くあり、追試科目が多いほど費用がかさみます。
実習費用
薬学部のうち、薬剤師になるための国家試験受験資格を得られる6年制学科では、5回生まで進学すると実務実習を履修することとなります。
この実務実習は、病院・薬局などの実際の医療機関にて半年の長期実務実習を行うものです。
この実習に必要な経費は、大学側から医療機関側に支払われますが、5年次に請求される場合、授業料や必要経費の名目で分割徴収されている場合があります。
費用は、4万円/月程度であり、半年ですので、24万円程度となります。
家賃
自宅から通学できない場合、大学近くで一人暮らしを開始することになりますが、この一人暮らしの生活費は実は非常に大きな負担です。
その中でも最も大きな費用は、家賃でしょう。
ワンルームの学生アパートであっても、首都圏の場合は、5-8万円/月は最低限必要となると考えておくべきです。
1-2万円/月で入居できる学生寮を備えている大学もありますが、人気があり入居できなかったり、狭くて居心地の悪い療も多いため、悠々自適な一人暮らしを求めて、個人で借りるアパートに移る学生も多数います。
アパートに不満があり、入学後に移動する可能性もありますが、入居する可能性のある大学周辺アパートのおおよその家賃や価格帯を調べておくとよいでしょう。
交通費
自宅から通学する場合は、自宅から大学までの交通費が必要です。
電車やバスなどの公共交通機関での通学であれば、定期やSuicaなどの割安なサービスを利用するとよいでしょう。
片道・往復の交通手段と交通費は、受験前に調べて把握しておくとよいでしょう。
そして、入学したのち忘れてはいけないのが、学割の申請です。
学割は、大学の事務局に申請して発行してもらえるのですが、JRなどの定期が格安で購入できます。
学割は定期に対する割引ですから、極端に通学回数が少ない大学の場合は割高になる場合もありますが、薬学部は毎日授業があり、週5回前後は往復しますから、学割の恩恵はとても大きいでしょう。
食費・交際費
一人暮らしを始めると、食費が意外とかさむことに気が付くでしょう。
特に、外食をすると1食あたり少なくとも千円前後、安価な学食であっても500円前後は必要になります。
スーパーで安い食材を購入して自炊の割合を増やしたとしても、ある一定額の食費は想定しておくとよいでしょう。
そして、回数は少なくても大きな金額が必要なのが、交際費です。
特に、サークルや部活動など、所属する組織の歓送迎会や飲み会があると、一回3000円~4000円が必要になります。
回数は半年に1-2回程度かもしれませんが、部活動などの付き合いで断り切れないことが多いので、負担額は大きくなることを覚悟しておきましょう。
国家試験対策費用
6年制学科では、国家試験を受験する学生が大半だと思いますが、大半の学生が授業以外に薬学予備校の主催する国家試験対策ゼミを受講したり、直前講習や模擬試験を受験します。
また、同様に4回生の薬学共用試験(CBT/OSCE)対策を受講する場合も費用が必要になります。
金額はまちまちですが、2週間程度の直前講習や共用試験対策であれば、2-3万円程度、2カ月程度のプログラムであれば、20万円ほど、模擬試験は1回5000円程度でしょうか。